
「守り人シリーズ」大人になって読み返すと
「守り人シリーズ」大人になって読み返すと
「守り人シリーズ」というのは上橋菜穂子さんの著書でシリーズもの(10巻と外伝3巻)の児童書なのですが、もうこれが大好きで。小学生の頃には昼休みに遊ぶのも忘れて、夜寝る時間を惜しんで没頭して読んでいました。
それを大人になった今読み直してみたのです。
最初に読んだ頃から18、19年ほど経っていました。面白かったということは強烈に印象に残っていたのですが思っていたよりも記憶はあいまいで、ページをめくるごとに懐かしさに加えて当時感じた新鮮な感動もよみがえってきました。
物語の始まりはシリーズ第1巻の「精霊の守り人」。
舞台は新ヨゴ皇国、女用心棒のバルサがその国の第二皇子であるチャグムを守るため奮闘する物語です。
人々が生きている世界と隣り合わせに存在する不思議な世界。その不思議な世界の重要な役割を負ったチャグムは刺客から追われることとなってしまいます。
追手から逃れるために、そしてチャグムの負っているその重要な役割を果たすために二人は旅をします。
著者の上橋菜穂子さんが文化人類学者だということもあり、ファンタジーでありながらもこの物語には実在した異国の話を聞いているかのようなリアリティーがあります。
設定が細やかで想像にたやすく、異国情緒溢れる食べ物の描写ではお腹が空いてしまうほどです、笑
この「守り人シリーズ」、読み直そうと思い立ってから知ったのですが大人のファンもとても多いようです。読んでから、それもそのはずだと納得しました。
「小学生の頃にこの物語を読んでいたあたしは、登場人物の心理を一体どれだけ理解できていたのだろうか」そう思ってしまうほどにそれぞれの人物が魅力的であり、そして人間くさいさまざまな思いが大枠のストーリーの他に見どころをたくさん作っています。
昔は助けられた皇子チャグムに心を重ねながら物語を読み進めていたように記憶しています。歳を重ねた今は主人公のバルサの思いも理解し読み進められるようになりました。それはこの歳になったからです。
きっと当時はストーリーの面白さに惹かれ先の展開を知りたくてページをめくっていたのでしょう。今は、その頃とは違う楽しみ方ができています。
昔と同じように今も小説などのフィクションを好んで読みます。さすがに児童書を読んだのは久しぶりでしたが、笑
さらに今回のことで作品を読み返すという面白さを知ってしまいました。しかも小学生の頃に読んでいたものを!こんなにいい作品に触れていたなんて当時のあたしグッジョブです。
これを機に、中学生以前に読んで印象に残っているファンタジーをまた読み返してみようと思っています。モモ、ハリーポッター、ロアルド・ダール作品などなど。
きっと子どもの頃とは違う感動が味わえるはずだと、今からわくわくしています。そしてそれを自分の作品に活かせる日が来ればいいなと思っています。